前妻の子がいたんです!

先日、相談したいことがあるとお客様が来所されました。

聞くと、お父様が亡くなられお葬式を終えたばかりとのこと。
お母様はすでに亡くなられています。
そのお葬式の場で、叔母さまから「実はあなたにはお兄さんがいる」と聞かされたとのこと。
お父様は自分が生まれる前に婚姻していた前妻との間に子供をもうけていたというのです。

ご相談者様は、その話を聞き動転し、お父様の相続手続きについてどうしたらいいか相談に見えたのです。
そのお兄さんとは、連絡を取り一度お会いしたとのことですが、やはり気持ちの整理がつかないので、この後は、できるだけ会いたくないので、司法書士を通じて話し合いをしたいとのご希望でした。

相続財産は、お父様が亡くなるまでお住まいだったご自宅の土地と建物、そして預貯金です。
ご自宅は、処分のご意向で、処分後の金銭と預貯金を全て、法定相続分通り、1/2づつで分ける方向でかまわないということです。
そこで、遺産分割協議書の作成と、相続登記、そして預貯金の相続手続きを全てお手伝いすることになりました。

すると、早速、先方(お兄さん)から連絡があり、知人の司法書士と一緒に事務所に訪問したいとのことでしたので来ていただきました。
一通り過去のお話などもお聞きし(お兄様はお父様のことも弟の存在も知っていたとのことです)、この後のご希望もお聞きしましたところ、気持ち的にはいろいろあるが、1/2づつ分割することに異論はないとのことでした。

ただ、問題は、自宅を処分するということですので、名義を二人の共有にするのか、売却の便宜を考えて一人にするのかです。

ここで譲渡所得税の問題が出てきます。名義をお一人にしてその方が売却するとなるとお一人に税負担がかかってきます。
内部的に処理することも考えられますが、あまり接点は持ちたくないとお考えのお二人ですから、シンプルに法定相続分通りお二人の共有名義にして、税負担も公平にそれぞれが処理するようにしてはどうかと申しましたら、先方の司法書士さんとも意見が一致しましたので、そのように進めることにしました。

その話を、再度ご相談者様にご来所いただき説明をいたしました。
譲渡所得税についても簡単に説明をし、一度、土地の取得時の資料や新築時の資料が残ってないか確かめていただくことにしました。それがないと結構な税負担になるからです。

さて、調べていただきましたが、資料が残っていないとのことです。

次の対策として、このご自宅は築40年以上とのことなので、家屋を解体して、更地にして売れば、「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例(3000万円控除)」が使えるかもしれないが、詳細は税理士さんに相談する必要があるとアドバイスをしました。

そんな相談を受けつつ、こちらでは、自宅の相続登記、抵当権が土地・建物についたままでしたので、その抹消登記を進めつつ、預貯金に関しても相続手続きを進めていました。

その一方で、相談者様は不動産仲介に相談、その提携の税理士に相談、家屋解体して建売業者に売却まで話を進めていました。
すばらしい行動力です。

そして先日、不動産売買の決済日が決まったのでとご来所いただきました。
家屋解体にお金が必要になるかもしれないのでと、ご希望により預貯金の相続手続終了後も、「遺産整理受任者」名義の口座でお金を保管していたのですが、すべて終了したので、お金も1/2づつ送金してほしいとご依頼があり、お二人に送金いたしました。

お兄様にも送金完了のご連絡をしましたところ、この間、当然ながらご兄弟でのやり取りが発生し、わだかまりも多少はやわらぎ、弟さんの行動力にも感謝されていて、私にも感謝のお言葉をいただきました。
お話を聞いているとなんだかほっこりとした気分になりました。

このあとは、先の譲渡所得税の控除の手続きが面倒ではあると思いますが、ゴールはすぐそこです。

私は、当初は二人の間に立って、連絡のやり取りのお手伝いをしていたのですが、最終局面ではお二人の関係性も改善し、スムーズな手続きに移行したことは本当に喜ばしい出来事でした。
このようなお仕事に関われて本当に良かった思いました。

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