一人遺産分割協議はできるのか?

先日、相続のご相談にみえられたお客様のお話です。

お母様が亡くなったとのこと。
聞くと数年前にお父様を亡くされていて、実家の不動産の名義はお父様のままということです。
お子様は、ご相談者だけなので、遺産相続で揉めることもないから、お父様の相続の時はそのままにしておいたようです。
で、この度お母様が亡くなったということで実家の名義変更のご相談です。

普通に考えると、
①お父様の相続発生時点→お母様とご相談者様の共有名義(持分2分の1づつ)の相続登記
②お母様の相続発生時点→お母様の持分(2分の1)の持分移転登記
と二段階の登記となります。

でも、遺産分割協議ができれば、1回の登記でできたんじゃなかったけ?

そうなんです。遺産分割協議ができればです。
もし、相続人であるお子様がお二人いて、そのお二人で例えば、お兄様が実家を相続すると遺産分割協議ができれば、お父様からお兄様へ直接移転登記ができます。

ただし、相続人がお一人の場合、「協議」ができないから問題となるのです。
「でもどうせ一人しかいないんだから揉めようがないじゃない」
そう!その通りなのですが、判例も出ていてそれは認められないのです。

でも、お母様が亡くなった後では遺産分割協議はできませんが、お父様が亡くなった後、お母様が亡くなる前に、お母様とお子様とで「実家はあなた(お子様)の名義にしておきなさい」「わかったよ」のようなやり取りがあったのなら、それが、「遺産分割協議書」という書面で残っていなくても、遺産分割協議があったとみなされ、お子様一人が、そういう協議があったことを証明しますという「遺産分割協議証明書」を添付してお父様からお子様へ直接相続による移転登記ができます。

ただし、そんな母、子の話なんてなかったという場合は、原則通り、上記で説明した二段階の登記となります。

冒頭のご相談者様の場合はどうなったのかご想像にお任せしますね。

そんなご相談も随時受付中です!!

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