「相続分の放棄」と「相続放棄」

「相続分の放棄」「相続放棄」と履き違えない!

相続相談のなかで「私は、相続を放棄しました。」とお話しされる方でも、よくよくお話を聞いていると、それは相続の放棄ではなく、ただ「相続分の放棄(譲渡)」をしただけということが非常に多いです。

家庭裁判所に申立しましたか?

法律的な「相続放棄」は、家庭裁判所に所定の書類を提出して認められて初めて有効になります。
ただ、遺産分割協議の中で、「何もいらない」と言っただけでは、それは「相続分の放棄」でしかありません。

この場合はプラスの財産を受け取れないうえに、借金だけは相続分通りに承継していることになりますので、債権者から請求を受けた場合は、自分の財産から弁済しなくてはなりません。

よって、もし、プラスの財産を一切受け取らないという相続人がいる場合は、債務がある場合は当然のことながら、債務がないと思われる場合でも、念のため、相続放棄をした方が安全かもしれません。

なぜなら、遺産分割協議に参加するその行為が「法定単純承認事由」となり、後日債務が発覚してもその時に相続放棄をするのが非常に困難になると思われるからです。

参考記事:法定単純承認

先に相続放棄は家庭裁判所に申立てが必要とお話ししました。
確かに戸籍の取り寄せが必要だったり少し面倒な手続きですよね。

ただ、自分を守るためには絶対必要な行為ですので、もし自分でやるのが面倒だと思ったら、専門家に相談してくださいね。

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